2008年06月08日

河口恭吾「夢の真ん中」

 過去の紹介リストを見ていて、僕が個人的に好きな人を忘れていました。
 04年に「桜」が大ヒットし、森山直太朗とともに、その後毎年桜関連のヒットが出る下地を作ったともいえそうな河口恭吾。95年に一度デビューしながらレーベルとの契約が切れ、「桜」が再発されるまでインディースでの不遇の時代が続いた苦労人でもあります。

 彼の歌はいわゆる「前に前に出る」作品ではないので、ヒットチャートとの相性は本来よくないのだと思います。実際その後はヒットに恵まれず、06年のベストアルバム後レーベルを移籍、直近のシングルは昨年4月、アルバムはカバー盤という状態。だからこそ、機会があれば聞いてほしいと思う歌――「桜」を再収録したアルバムのあとに出された「夢の真ん中」(05年)というシングルです。

 この曲は彼にとって初の映画タイアップ(「MAKOTO」)でした。ピアノの旋律で静かに始まるイントロ。そのままAメロ部分の最小限の伴奏に、彼のつぶやくようなボーカルが乗っかってきます。これに対し、サビ部分はオクターブ上がったメロディーで、地声とファルセットの中間的な、ソフトだけど熱を持った声が聞けます。構成がAメロ−サビのシンプルな組合せなだけに、その対比が際立っているし、彼の「静」「動」を1曲で感じる事のできる作品といえるでしょう。「サヨナラをくりかえして僕らは〜」で始まるサビの歌詞もせつなくて、でも感情を歌い込みすぎない彼のボーカルと合っていると思います。

 最近の音楽番組はトーク中心のものが多く、「桜」がヒットした時もトークでのあまりの素人ぶりに、ちょっと気の毒になるくらいだったのを覚えています。アーチストには不向きな彼かもしれないが、本業の音楽のところでは長く活動してほしいし、レコード会社も我慢強く彼を見守ってほしいと切に願いたいです。
夢の真ん中/胸の言葉
ワーナーミュージック・ジャパン
I LOVE YOU singles
ワーナーミュージック・ジャパン
posted by 覆面Z at 11:22| Comment(2) | TrackBack(0) | 覆面的温故知新 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月01日

平川地一丁目「とうきょう」

 今週の温故知新は、この夏のツアーを最後に解散することを発表した平川地一丁目。佐渡在住(でもユニット名は生まれた静岡の地名拝借)兄弟デュオとして、当時高校生&中学生と若いにもかかわらず、70年代フォークを自分たちの音楽のルーツとし、こよなく愛する稀な存在として注目を浴びた。今後兄は音楽活動継続、弟は進学の道を歩むためいったん芸能界と距離をおくことになるとか。

 彼らの不幸は、デビュー曲「とうきょう」がヒットしたがゆえに、彼ら(特に弟・直次郎)の声変わりがユニットのイメージを大きく変えてしまったこと。おそらく05年のシングルあたりから、全体的なキーが下がってきたと思われるので、シングル3枚後のアルバム「えんぴつで作る歌」(04年)のあと、うまく路線変更が出来ていればよかったと思うのだが。

 「とうきょう」は、デビューのために上京してきた彼らのイメージともだぶる歌詞だ。70年代フォークの流れは、アコギのアレンジやコード進行だけでなく、郷愁を誘う詞世界や、業界ずれしていない彼らの佇まいにも表れていると思う。そのあとの「桜の隠す別れ道」「君の分まで」(←僕はこの曲と主題歌だったドラマの好相性でヒットを確信したのだが・・・)でヒットが出ていれば、あるいは中高生+70年代フォークという固定観念をどこかで打ち破っていれば、彼らのポジションもあったと思うのだが。

 ラストの作品には、このメジャーデビュー曲の08年Ver.が収録される見込みだ。約5年弱の間に彼らがどう変わっていったのか確めたいと思う。
うたかた
DefSTAR RECORDS
posted by 覆面Z at 22:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 覆面的温故知新 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月18日

DEEN「ひとりじゃない」

 ひさびさの温故知新です(^^;)。今回は、来月4日にデビュー以来のシングル全曲を含むベスト盤を発売するDEENを取り上げます。実際には98年にベスト、01年にバラードベスト、05年にセルフカバーベスト、07年にクラシックアレンジ盤を発売しているものの、ここ10年間のシングルを丸々収録した作品がなかったので個人的には待ち望んだ1枚です(2枚組のうち1枚めの収録曲が98年のベストとほぼ同じなのは、セールス面を考えれば仕方ないのかもしれませんが^^;)

 ビーイング系アーチストが大量にブレイクした93年デビュー。「このまま君だけを奪い去りたい」以来、坂井泉水、織田哲郎、栗林誠一郎など「身内アーチスト」から楽曲提供を受けてヒット曲を連発。他のユニットやバンドと比較的かぶらない、アコースティック〜リズムの跳ねたR&B風〜正統8ビートのロック風ポップスという位置どりをしつつ、徐々に作詞、作曲面でもメンバーが関わっていくことになります。その中でもアレンジのロック色が一番強かったのが「ひとりじゃない」(96年)だと思います。

 作詞池森(vo)、作曲織田哲郎のこの曲、楽曲自体は典型的な応援ソング。エレキギターの音と彼のボーカルは合うんだろうか、とも当時思いましたが、その後ビーイングを離れて生音中心のAORにシフトしていったことろ考えると、方向転換の第一歩になった作品なのかな、という気もします。94年にgとDrのメンバーが加入したことによる音の変化があるのかもしれません。今回のベスト盤が発売順に並んでいるので、通して聴くことでどのあたりが最大の転機だったのかもわかるように思います。
 
 T-BOLANやWANDSなどが解散or活動休止していく中で、ZARDとともに21世紀に入ってからも一定の売上を出し続けました。僕は「男版ZARD」と勝手に呼んでいた時期もあるんですが、ZARDもなき今、彼らには90年代ポップスの担い手として今後も活躍してほしいものです。
DEEN PERFECT SINGLES+(初回生産限定盤)(DVD付)
BMG JAPAN Inc.(BMG)(M)
posted by 覆面Z at 20:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 覆面的温故知新 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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