2007年08月19日

久保田利伸「失意のダウンタウン」

 新作はしばらく先になりそうだが、KREVAとのコラボシングル「M★A★G★I★C」で、持ち前のグルーヴを見せてくれた久保田利伸。90年代後半以降のJ-POPリスナーにとっては「LA・LA・LA LOVE SONG」のポップな印象が強いかもしれないが、本格的ブラックミュージックの要素を「ファンキー」という形容とともにJ-POPのメジャーシーンに持ち込んだ第一人者といってもいいでしょう。音楽のルーツを求めてアメリカに移住、海外レーベルと契約を結んで全英詞のアルバム発表・・・どれも第一線で活躍していたアーチストの進む道としては当時異例のものでした。

 ブレイクまでの過程も同じく異例。クラブシーンで12inchシングル「TIMEシャワーに射たれて・・・」(86年)が注目され、次いでアルバムに飛び火。「流星のサドル」「Missing」という1stアルバム曲が代表曲となり実力が評価され、シングル曲なしの2nd「GROOVIN'」を経てようやくシングルタイアップで一気にメジャーを駆け上りました。で、今回取り上げられるのは、ブレイク前にしてほとんど取り上げられることがないデビュー曲「失意のダウンタウン」(86年)。ちなみに、最大のヒットとなったベスト盤「THE BADDEST」にも、なぜかこの曲だけ収録されていません。僕にとっては七不思議のひとつ?(^^;)

 その後のシングルの変遷に比べると、譜割りやアレンジなど、初耳リスナーにも取っ付きやすいよう「J-POP仕様」にチューニングされているのがわかります。彼のやりたい音楽と、スタッフの売り出し戦略のの妥協点がここだったのでしょう。彼が唯一譲れなかったのが、2番あとのラップの部分。ヒップホップ系アーチストがメジャーにまだほとんどいなかった当時、日本人にもこんなことができるんだ、というほどそれは衝撃的な「事件」に思えました。洋モノに傾注した中期の曲も完成度は高いと思いますが、J-POPと見事に融合しているこの曲こそが、デビュー曲にして彼の最高作だと今でも思っています。

 ちなみに、彼も楽曲提供から脚光を浴びた人。僕が一番印象に残っているのは田原俊彦の「It's BAD」です。リズム感はともかく、音程的にかなりキビシイ彼にラップを歌わせた組合せの妙にも感心しましたが、この頃すでに彼の才能は高い完成度を発揮していたのかもしれません。
SHAKE IT PARADISE
ソニーレコード
失意のダウンタウン
ソニーレコード
posted by 覆面Z at 00:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 覆面的温故知新 | 更新情報をチェックする

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