2007年08月12日

稲垣潤一「僕ならばここにいる」

 先月発売された「大人の夏景色」が初登場47位(オリコンWebの作品データによると、シングルは5年ぶり!)、来月には25周年記念のベスト盤が発売されるなど、ここに来て再評価されつつある稲垣潤一。トレンディドラマ世代には最大のヒット「クリスマスキャロルの頃には」の印象が強いだろうし(ロングヒットしているアルバム「R35 J-Ballad」で初めて知った人も含め)、もう少し上の世代には「ドラマティック・レイン」「1ダースの言い訳」など80年代の邦楽AOR界の第一人者としておなじみでしょう。「クリスマス~」は多くの人が知っている名曲なので他に譲るとして、今回はこのすぐ後に発売された「僕ならばここにいる」(93年発売)を紹介します。

 彼は初期の頃こそドラムプレイをしながら歌っていましたが、作詞作曲をせずボーカリストに徹した男性アーチスト世代の最後といっていいと思います。この曲も「クリスマス~」同様、秋元康作詞。彼とは他にも多くのシングルで組んでおり、時代の流れをくんだべたつかない恋愛、リゾート感、声を最大限に生かした爽快感、・・・などのキーワードでくくれるフィクションのストーリーを表現していました。そこには「彼のメッセージ」というよりは、彼の声というフィルターを通していかに詞の世界を再現するかに重きが置かれていたように感じるし、やや金属質ながら感情の起伏を必要以上に込めないボーカルが果たす役割も大きかったように思います(例えは飛びますが、ZARD坂井泉水も同じ系譜かもしれません)。

 歌詞はいわゆる「見守り」系。「クリスマス~」にも通じる世界ですが、女性の自立、進出と関係があるんでしょうか。また曲は彼自ら「初めてのロック系」と称した、エレキギターをアレンジに加えた仕上がり(でも今聴くと全然稲垣印ポップスの範疇です^^;)。このあと「キスなら後にして」「語らない」とロック色や打ち込みアレンジなど、サウンド的にはやや迷走の方向へ進んでいきます。

 今回のベスト盤「Rainy Voice ~greatest hits & mellow POP~」には、デビュー曲の「雨のリグレット」から最新シングル、そして「僕ならば~」もほぼ発売順に収録されています。詞と音と声に一貫性を感じるか、微妙な変化を感じるか聞き比べてみるのも面白いかと思います。
僕ならばここにいる
ファンハウス
posted by 覆面Z at 20:24| Comment(3) | TrackBack(0) | 覆面的温故知新 | 更新情報をチェックする

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