2007年08月06日

中島みゆき「やまねこ」

 昨年はTOKIOへの提供曲「宙船(そらふね)」が話題となり、つい最近もひさびさの新曲「一期一会」で存在感を改めて示した中島みゆき。70年代~00年代の4つの年代でシングルチャート首位を獲得しているアーチストとしても知られています。そんな彼女、世代によって名曲は「地上の星」だったり「空と君のあいだに」だったり、ずーっとさかのぼって「ひとり上手」「時代」だったりすると思うのですが、今回は超個人的なセレクトで「やまねこ」(86年発売)を紹介します。「あたいの夏休み」「見返り美人」と、80年代初頭のフォークアレンジからロック色を強めつつある過渡期のシングルで、枚数的にはそんなに売れませんでしたが、彼女らしさは十分に感じられる曲です。

 彼女の才能のひとつは、女目線でのキレイゴトじゃない感情を(しかもオブラートにも包まずに)ポンと差し出しても、それがまねできない個性になってしまうところにあると思います。この曲でも「菓子屋とドレス屋と女衒と女たらし」だけだったという強烈な言葉で、まず女に生まれたことへの周囲の落胆という舞台を作り、その主人公ができる数少ないことを「(やまねこの)爪」に例えて「傷つけるためのもの」「天からもらったものはこれだけ」と展開して行きます。これが(この曲の場合世間への)恨み節ギリギリの線に設定されているのがすごいところ。もちろん時代によってその線は動くので、発表当時はやっぱり恨み節に聞こえるよ・・・って人も少なくなかったのですが。ほかにも「手なずけるゲーム」「よそを向かないで抱きしめて」など、タイトルがやまねこであることの必然性を持たせたフレーズも秀逸です。

 一貫した歌世界に対し、当時人気ラジオ「オールナイトニッポン」で壊れキャラのDJを演じていた(素かもしれないが?)ことで、彼女の中のバランスを取っていたのかもしれません。「地上の星」もいいですが、やはり彼女には国民的アーチストではなく、強烈な個性を発揮し続ける「女性」であってほしいと個人的には感じます。
やまねこ
ポニーキャニオン
posted by 覆面Z at 19:56| Comment(5) | TrackBack(0) | 覆面的温故知新 | 更新情報をチェックする

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