2007年06月17日

鬼束ちひろ「眩暈」

 先日「everyhome」で2年半余りぶりにチャートに復帰してきた鬼束ちひろ。賛否両論あったものの、これだけのブランクがありながらTOP10入りを果たしたのは、それだけ活動再開を待ち望む声が大きかったものだと解釈したい。今回調べていて、実はブレイク作「月光」も最高位11位(間違ってないですよね?)、意外とシングルは上位に来てなくて、アルバムの方で存在感を増していったアーチストだということを改めて感じた。もっとも、シングルでも「爆破して~」の歌詞がすさまじい「infection」や、本人が「日本のどこかに」行ってしまいそうな「いい日旅立ち・西へ」、ラストの「私は今死んでいる」の歌詞を体現?してしまった「育つ雑草」など、インパクトの強い曲が揃っているのだが・・・

 そんな中で僕が一番好きな曲は「眩暈」(2001年発売)だ。この曲にも「悪魔」「卑屈」「残酷」と言った、マイナスイメージの言葉がずらっと並び、身を削るように不安な気持ちを訴える「私」が歌われている。が、サビでリピートされる「貴方の腕が声が背中が」の存在が、不安ながらも別の人間の体温に身を委ねようとする彼女の女性らしい一面を垣間見せているのが興味深い。

 詞の内容に合わせるかのように、ピアノ中心とはいえ浮遊するシンセ音が効果的に使われ、アレンジが最も柔らかく仕上がっている曲のひとつだとも感じる。この曲での彼女の声は、直線的に尖っているというより1枚の帯のように聴こえるのもおそらくアレンジとのマッチングのせいだろう。
 音が激しく上下するメロディーラインは、すでにこの時に彼女の個性として確立されつつあったと思うが、最高音域が一定のところでおさえられているので安心して聴けるし、衝動的に書かれたというよりも彼女の中ではかなり練られた作品なのではないか、と思う。

 オリジナルアルバムは02年の「Sugar High」以来出ていない彼女。このアルバム自体、当時ヘビーな方向に身を投じる予兆を感じたのだが、「眩暈」のような世界観を感じるアルバムが聞けるのはもっと先のことになるのかな・・・まずシングル1枚でいいから、あの時の耳障りを再度味わってみたいと個人的には強く思うんだけど。
眩暈(めまい)/edge
EMIミュージック・ジャパン
インソムニア
EMIミュージック・ジャパン
posted by 覆面Z at 22:11| Comment(6) | TrackBack(0) | 覆面的温故知新 | 更新情報をチェックする

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